なぜ必要?恩赦の意味をわかりやすく!対象者と死刑囚は?

10月22日に天皇陛下と皇后雅子様の「即位礼正殿の儀」が執り行われました。それに合わせ、11月に恩赦が実施される予定です。

そもそも恩赦は奈良時代の西暦734年に聖武天皇が始めたと言われています。

平成に入ってから1989年の昭和天皇大葬、1990年の上皇様ご即位、1993年の天皇陛下ご成婚の時に恩赦が行われました。

恩赦の意味とは

さて、恩赦とはどういうことでしょうか。

その意味を分かりやすく言うと、「天皇陛下のお気持ちで、罪を軽くしてあげましょう。」ということです。

この恩赦という行為は、憲法で天皇の国事行為(天皇としての仕事)として定められているものです。

恩赦はなぜ必要か?

恩赦とは国に慶事があった時や、悲しいことがあった時に罪を犯した人の刑罰を軽くすることで、これは先ほどの通り、天皇陛下のお心により罪を軽くして頂くわけです。罪を犯した人にとってはありがたいことです。罪を軽くしてもらえるんですから。

では、罪を犯してない人から見るとどうでしょうか。

実際に、恩赦に対して、否定的な意見が多く聞かれます。「罪を犯したならそれ相応に罰を受けるべきではないか?何で赦されるのか納得いかない。」「冤罪だったら理解できるが、犯罪を犯した者がなぜ恩恵を受けるのか?」

恩赦がなぜ必要なのか?法務省によると、他に正すことができない裁判の誤りに対して救済の機会を与えることと、罪を犯した人が更生するための励みになる意味があります。

また、法律が変わったときに、改正前に罪が決まっていた人と、改正後に罪を犯した人の刑罰の調整をするためです。罪人にも再生するための救済措置を与えましょうということなのです。

そして、これは再犯防止にもなるとの期待もあるようです。また、犯罪のない安全な社会を続けるためには恩赦は大変重要な意味をなすと声明を出しています。

今回の恩赦の対象者は?

今回の対象者はおよそ55万人ということです。
恩赦には2種類あって、①政令恩赦と②個別恩赦とあります。政令恩赦は罪や刑の種類を政令で決めて、一律に行うものです。個別恩赦は5人の有識者で個別に1件ずつ審査を行い決めます。

そのなかで今回の恩赦はそのうちの①政令恩赦と②個別恩赦のうちの期間を限定して行う特別基準恩赦が行われる予定です。

今回行う政令恩赦の対象者としては、罰金刑を受けた人だけが対象ということです。罰金を納付してその後3年間は処罰されていない人が対象で、「復権」を与えられるということです。

例としては、
免許停止で罰金を収めた人がその後3年間罪を犯すことなくいた場合、免許を取り直しすることができるようになることや、医師免許を取り上げられた人が、医師免許を受けられるようになったり、公職選挙法の罪で罰せられた人が公民権を回復することなどです。

凶悪犯が許されるということはなく、国民感情を考慮して比較的罪の軽い人を対象に行うようです。

死刑囚は恩赦で死刑をまぬがれるの??

朝日新聞が調べたところによると、戦後死刑囚で大赦で減刑され、無期懲役となった人は1988年以降あわせて24人いたといいます。

戦後に行われた12回の恩赦のうち一度だけ1952年に12人から14人の死刑囚が恩赦を受け、無期懲役になったことがありました。そのうちの1人は1970年に仮出所となったのですが、再び殺人未遂を犯し刑務所に逆戻りとなったようです。

1989年、1990年の恩赦では1200万人以上の対象者が恩赦を受けましたが、死刑囚も刑務所から出れる人すらほぼなかったてといいます。

例えば凶悪犯の罪を軽くしたら、世間はそれを許すことはできないでしょう。そういった国民の気持ちを加味して対象となった人は罪の比較的軽い交通違反などの人たちだったそうです。

過去に恩赦を期待した死刑囚もいたといいます。

1988年に昭和天皇が重体と報じられ、刑務所内で、死刑囚の減刑があるとのうわさが刑務所内で飛び交ったそうです。

そして、1984年に北海道の夕張市で保険金目当てで放火殺人を犯した暴力団組長夫婦が恩赦を期待して死刑の控訴を取り下げたのですが、恩赦を受けることなく1997年に死刑が執行されたということです。

今年は死刑囚の減刑はないと思われますが、慶事の年なので今年の死刑執行は見送られるのではないかとみられています。

それは、法務省の発表で、「国民感情や犯罪被害者、その遺族の心情等に配慮し、重大な罪を犯した者を対象外として受刑者が刑務所から釈放されないようにする必要がある」とし、「刑を終えた者のうち、比較的刑事責任が軽く、一定期間再び処罰されていない者を対象とするなど、従来よりも範囲を限定的にした」とされているからです。

コメント