カスハラ労災認定の事例と対応!逮捕者は?法律も【対策動画】

従業員に対する客の悪質なクレームによって厚生労働省が過去10年間で労災認定をした人は78人にもなり、そのうちの24人もの人が自殺をしていました。

カスハラを取り締まる法律などはあるのでしょうか。
2019年5月にパワハラ防止の「改正労働施策総合推進法」は成立しましたが、それにはカスハラは含まれていないのです。

そこで、年内をめどとして、厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会がカスハラについての指針を定めることとしました。

カスハラとは

カスハラとはカスタマーハラスメントのことで、従業員に客が執拗で悪質なクレームで追い込んで苦しめることを言います。

●その実態はかなり悪質になっており、つけタレが冷めていると思い交換の声掛けをしたら「水入れて飲め!ブタ!」

●商品の場所へ案内したところ遠回りだと怒り、「ばか、死ね!辞めろ!」

●商品の在庫を聞かれ、無いことを伝えたら、「売る気ないんか!私が店長だったらお前なんて首にする」と長時間怒られた。

●商品の価格が間違っているとの指摘で確認に行こうとしていたら、待たせるなと怒鳴り3時間の説教。

●商品が不良品で返金をした際に、丁寧に謝ったが了承せず、土下座で謝るように要求された。

他にも人格を否定する暴言、執拗に何度も同じ内容でクレームを言ってくる、威圧する態度をする、説教をする、威嚇してくる、脅迫してくる、長時間拘束するなどの被害が報告されています。

カスハラの労災認定された事例と逮捕者について

 

2009年~2018年の10年間で労災申請が262人あり、そのうち78人が認められ、そのうちの24人が自殺。年度別でみると、2014年が一番多く17人が認定を受けそのうちの6人が自殺。
昨年度2018年は申請21人のうち5人が認定されました。

 

ある首都圏の市職員の事例です。

2009年に道路整備の担当だった30代の職員がある一人の市民から道路維持についてのクレームが頻繁にあり。
怒鳴り散らす、威圧的な態度を取るなどされたが、最初は直属の上司と一緒だった。

それから一人で対応するように言われ、ひどい月は11回もそのクレームの対応をしなければならず。
その後、相手に携帯の電話番号を知らせるように上司から言われたために、休みの日や勤務時間外まで電話対応に追われることに。

 

電話が鳴ることが怖くなってしまい、半年後その男性はうつ病になってしまったのです。その後5カ月以上仕事に出れない状態が続き、そのあとも回復せず仕事にでられず休むことになってしまったといいます。

こののち男性は地方公務員の市職員組合に相談して、公務災害認定を申請。そして、地方公務員災害補償基金は「公務上、強度の精神的負荷により精神疾患を発症した」と認めたのです。

 

 

カスハラの逮捕者も出ています。

 

2018年に名古屋市のコンビニで支払い時に1万円札を出し先に小銭を渡されて、紙幣の釣りをくれないと思い31歳の女性店員に土下座させようとして40代の男性客が逮捕。

また違うコンビニでも。北九州市では2018年9月、30代の男性客が18歳の女性店員に土下座を強要。その後強要と威力業務妨害の疑いで逮捕となったのです。

カスハラされたらどうするか?その対応

では、カスハラされたらどう対応したらよいのでしょう。

1.まず「謝ること」
謝ると過失を認めたことになるのではないかと思い、謝罪を拒む場合があるが、謝ることが損害賠償に直結するわけではありません。
謝罪の言葉がなく、腹が立ったとか、ひとこと謝ってくれたら気が済んだという声も少なくないのです。事実確認が終わってなくて実際のところがわからないとしても、お待たせしてしまったことをまず謝ることです。

2.冷静に対応し、感情的になったり議論してはだめ
勝手な言い分に頭にくることもありますが、その挑発には乗らず、冷静に対処することが大事。感情論になってしまうと論点がずれてしまう。相手の言いがかりには「ご意見として承ります」で対処する。

3.録音するかメモを残すこと。
クレーマーはあの時ああ言った、こう言ったと言ってくることが多いので、証拠を残すことです。当事者の録音は違法性はありません。

4.相手の話を遮ったり、反論しない
相手が理不尽なことを言っていても言い分を黙って聞く。話も聞いてもらえなかったとまたクレームのもとになってしまいます。とにかく「ご意見として承ります」でずっと通し続けること。

5.その場では答えを出さない。
ついその場しのぎで、相手の要望を飲んでしまい、客もエスカレートして次々に要望を言ってくる可能性があります。上からの判断で後日回答しますと伝えましょう。例え、経営者がいたとしても、経営者と名乗るのは避けます。

対策動画


引用:UAゼンセン作成動画

これは、多くの組合員がカスハラの被害を受けているUAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)が6月から公開しているカスハラ防止キャンベーン動画です。

カスハラの実態、カスハラが刑法に抵触することもあるということを知ってもらうことにより抑止になればと作成された動画です。

カスハラに過剰に対応しないこと、カスハラに合いそうになったらすぐに上司に相談すること、そしてそれができる職場の環境を整えることが大事です。カスハラは個人で対応せず、職場で対応することがそれに苦しむ従業員を救うことになるのです。

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