韓国の大型財閥であるハンファグループが北海道のニセコの土地を購入し、大規模な開発を行っていることが判明しました。
ハンファグループは既に大型スキー場に隣接した好立地を取得しており、そこに宿泊施設を建設する見込みです。
これを受け、SNSなどでは日本の土地が次々と売られている事に対しての不快感や危機感が募っており、これは侵略だという声や外国への土地売却制限を求める声が上がっています。
今回は、北海道のニセコ地域や韓国のハンファグループについての詳しい概要や買収と再開発後の影響の見通し、ホテルはいつごろできる予定なのかについてお伝えします。
韓国のハンファと北海道のニセコについて
そもそも韓国のハンファグループと北海道のニセコ地域はどのような組織、地域であるのかまとめていきます。
まず韓国のハンファグループについてです。
こちらは1952年に金鍾喜が「韓国火薬株式会社」の名で元々設立した会社が1992年に株式会社ハンファへと名を変え、現在はハンファグループとして保険や証券に建設、果ては野球球団を擁している複合型の大型グループとなっています。
その流通ネットワークは膨大で、23か国の80近くに上る販売組織を抱えているほどです。
それでは北海道のニセコはどのような地域なのでしょうか。
ニセコ町は北海道特有のアイヌ由来の町名であり、アイヌ語で「峡谷にある川」を意味する言葉からその名がついています。
北海道の中でも有数の観光地域でもあり、夏は登山やカヌー、釣りなどのアクティビティを楽しむことができ、冬は広大なスキー場で豊富なコースをスキーやボードで楽しむことが出来ます。
宿泊施設やお土産も充実しており、その観光事業への力の入れようからなのか外国人が非常に多く、「日本で最も国際的なリゾート」「日本人を見かける方が稀」などと言われています。
毎年の冬には外国人の短期アルバイトが押し寄せ、日本に来た外国人観光客の対応を外国人が主に行うという、なんともちぐはぐな事になっているのが現状です。
またニセコは多数の土地が中国資本による買い占めを受けていることもあり、日本人の減少と外国人の増加が進んでいます。
韓国のハンファによるニセコ買収、再開発後どうなるのか
韓国のハンファがニセコを買収、再開発することで今後ニセコ地域や観光はどうなるのかを考察します。
ハンファは既にニセコ最大のスキー場である「ニセコグラン・ヒラフスキー場」に隣接し2012年に閉館した「ニセコ高原ホテル」の跡地を確保しており、スキー帰りの客がそのままホテルで休める事で顧客の獲得を狙っています。
完成後は、地上7階地下2階で100室規模の大型コンドミニアムとなる予定です。
未だ新型コロナウイルスの影響が強いこのタイミングでの再開発は、コロナウイルス終息後を鑑みて経済活動を加速させる目的があると読み取れます。
しかし新型コロナウイルスは長いスパンで対応していく必要性があるという指摘は前々から世界中で存在しており、このタイミングで宿泊施設の建設を進めたところで今後利益を生み出していくにはかなりの長期間で辛抱強く経営を行わなければならない可能性が高いです。
日本ではひとまず緊急事態宣言が解除されたとはいえコロナウイルスは依然猛威を振るっており、第二波第三波の可能性も指摘され現状では未だ終息の目途が立っていません。
またコロナウイルスが終息した後においても国民には「密」を避けようとするより強い意識が生まれ、消費者の生活様式や各種産業が大きく変化していくのではないかとも言われています。
そんな状況下で観光産業によって利益を出そうとする事業は終息が長引けば悲惨な末路を辿る可能性も十分考えられ、理に適っているとは言えない点も目立ちます。
大型ホテルの跡地である好立地に建設するため大失敗となる可能性は多少下がりますが、観光産業が巨大な向かい風を受けており、このタイミングでの観光向けの開発は地域住民の反感を買いかねない点などからも今回の再開発がいい結果になる可能性は高くないと推測されます。
ホテルはいつできるのか
肝心のホテルはいつできるのかについてです。
韓国のハンファは北海道の新聞社の取材を受けた際に
「土地の取得は事実だが、施設建設の着工時期などは未定」
とコメントしており、ホテルが具体的にいつできるのかについては今のところ未定です。
急ぎで建設するメリットは薄い為、ホテルが完成するのはまだまだ先のことになるのではないでしょうか。
一見あまり合理的な事業には見えませんが、新型コロナウイルスは未曽有の事態であるため、私たちの予想よりも早く終息を迎え観光産業が復活し自粛明けによる観光ブームなどが起きる可能性も否定できません。
コロナ終息時期と終息後の変化こそがハンファグループによる再開発事業成功のカギとなっているので、今後はコロナの状況の移り変わりやそれに伴う日本による出入国制限の緩和などに注目していくべきでしょう。
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