森見登美彦氏の著、上田誠氏の原案で、小説「四畳半タイムマシンブルース」が発売されることが発表されました。
森見登美彦氏と上田誠氏は盟友コンビと言われていますが、作品としては異種コラボになります。
それは、森見登美彦氏は小説家で上田誠氏は劇作家であるからです。
そしてもう一人、カバーイラストを手掛けた人にも注目が集まっています。
今回は、株式会社KADOKAWA」より2020年7月29日(水)に発売される『四畳半タイムマシンブルース』についてあらすじと感想、森見登美彦氏と小説『四畳半神話大系』について、そして、カバーイラストを手掛けた中村佑介氏についてについてお伝えします。
『四畳半タイムマシンブルース』について
『四畳半タイムマシンブルース』発売にあたっての概要
小説『四畳半タイムマシンブルース』について、2020年7月29日発売にあたっての概要を整理しておきますね。
小説タイトル:四畳半タイムマシンブルース
著者:森見登美彦(もりみ とみひこ)
原案 上田誠(うえだまこと)
定価:1,500円(税別)
発売日:2020年07月29日
判型:四六判
商品形態:単行本
ページ数:228
出版:株式会社KADOKAWA
森見登美彦氏の『四畳半タイムマシンブルース』の構想
森見登美彦氏のコメントによれば、自身の小説『四畳半神話大系』と劇団ヨーロッパ企画の舞台「サマータイムマシン・ブルース」を合体させればどうなるかという発想から生まれた「構想」だとのことです。
ヨーロッパ企画というのは株式会社オポスが運営する日本の劇団及び企画集団で、主宰するのが上田誠氏です。
上田さんの代表作の舞台「サマータイムマシン・ブルース」(劇団ヨーロッパ企画/2001年初演)は真夏の下鴨幽水荘を舞台にするというものです。
今回はタイムマシンが突然出現して一日をの間でドタバタ劇が行われるという設定です。
上田誠さんはアニメ版の「四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」「ペンギン・ハイウェイ」の脚本家であるのでアニメファンの方でも知っている人がいるかもしれませんね。
『四畳半タイムマシンブルース』の内容について簡単な紹介
『四畳半タイムマシンブルース』は、時間旅行者たちが繰り広げる冒険喜劇です。
物語の舞台は京都の大学で、名言はされていませんが京都大学だと言われています。
「私」は3回生で恋愛経験もない勉強もよくできないという落ちぶれ学生です。
以下は、『四畳半タイムマシンブルース』のはじまりの様子になります。
(小説の文体とは異なります)
真夏の京都で、学生アパートに唯一のエアコンが動かなくなります。
「私」の悪友である小津がリモコンを水没させてしまったからです。
夏をどうやって過ごせというのか?
「私」がひそかに想いを寄せ明石さんと対策を協議しているとき、 見知らぬ男子学生が現れます。
彼は25年後の未来からタイムマシンに乗ってやってきたと言うのです。
「私」は、「タイムマシンで昨日に戻って壊れる前のリモコンを持ってくればいい」と天才的にひらめきます。
しかし!
小津たちが昨日の世界を勝手気ままに改変するのを目の当たりにして、
「私」は世界消滅の危機を予感します。
4つの短編から構成されていて、いわゆるパラレルワールドになっています。
「私」はどの世界でも悪友の小津の悪だくみに乗せられて、色んな事に振り回されてしまいます。
最終的には黒髪の美少女の明石さんと結ばれることになります。
アニメでは時間が巻き戻されるタイムループのような改変がされていて、小説とは内容がかなり異なる部分もあるので両方観ても飽きることはありません。
KADOKAWA文芸WEBマガジン会員限定で第一章は読める!
KADOKAWA文芸WEBマガジン「カドブン」会員限定で、『四畳半タイムマシンブルース』の第一章は読むことができます。
森見登美彦氏と『四畳半神話大系』について
森見登美彦氏のプロフィール
引用:SUUMOタウンサイトより
名前:森見 登美彦(もりみ とみひこ)
生年月日:1979年1月6日
出身地:奈良県生駒市
在住地:奈良市
学歴:京都大学農学部生物機能科学科卒業
受賞歴と受賞作品
2003年
第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞/『太陽の塔』
2007年
第20回山本周五郎賞受賞/『夜は短し歩けよ乙女』
2010年
第31回日本SF大賞受賞/『ペンギン・ハイウェイ』
2014年
第2回京都本大賞受賞/『聖なる怠け者の冒険』
2017年
第7回広島本大賞受賞/『夜行』
2019年
第6回高校生直木賞受賞/『熱帯』
『四畳半神話大系』について
『四畳半神話大系』は、太田出版より2005年1月5日に刊行されています。
文庫版は2008年に角川書店(角川文庫)より刊行されました。
2010年に『ノイタミナ』にてテレビアニメ化されて、『四畳半神話大系』は多くのファンを獲得した形となったのです。
四畳半神話大系の感想
青春小説でタイムループ物という内容なので新鮮でおもしろかったです。
癖のある悪友の小津や自由な樋口さんなどアクの強いキャラクターが多くて飽きませんでした。
そしてさまざまな事件に巻き込まれるため読んでいていっさい飽きが来ません。
主人公も「私」もそうとうひねくれた性格をしているので小津との掛け合いがかなりおもしろかったです。
そしてヒロインである明石さんが飾っていなくてすこぶる可愛かったです。
アニメとは内容も違っているようなので小説を改めて読むと違った魅力を見つけることができるかもしれません。
『四畳半神話大系』と「サマータイムマシン・ブルース」のコラボレーション企画
今作の四畳半タイムマシンブルースの内容は森見登美彦さんと、盟友である上田誠さんのコラボレーションになります。
上田さんの代表作の舞台「サマータイムマシン・ブルース」(劇団ヨーロッパ企画/2001年初演)の真夏の下鴨幽水荘を舞台にするというものです。
今回はタイムマシンが突然出現して一日をの間でドタバタ劇が行われるという設定です。
上田誠さんはアニメ版の「四畳半神話大系」や「夜は短し歩けよ乙女」「ペンギン・ハイウェイ」の脚本家であるのでアニメファンの方でも知っている人がいるかもしれません。
上田誠氏はどんな人
引用:ウォーカープラスより
上田誠氏は、劇作家、演出家、脚本家、構成作家、劇団ヨーロッパ企画主宰者です。
京都府出身で、同志社大学工学部知識工学科を中退しています。
上田誠氏はテレビアニメになった『四畳半神話大系』の脚本を担当しており、森見 登美彦とは縁があるのです。
カバーイラストを手掛けた人は誰?
今回取り上げた小説『四畳半タイムマシンブルース』のカバーイラストを手掛けたのは、前作の「四畳半神話大系」に引き続き人気イラストレーターの中村佑介氏です。
中村佑介氏は、イラストレーターであり、ミュージシャンであり、漫画家でもあります。
兵庫県宝塚市出身で、大阪府在住です。
CDジャケットでは、「ASIAN KUNG-FU GENERATION」「スピッツ」「ゲントウキ」など多数を担当しています。
書籍カバーでは、『四畳半神話大系(森見登美彦著)』『セーラー服と機関銃(赤川次郎著】』『謎解きはディナーのあとで(東川篤哉著)』 『ラ・パティスリー(上田早夕里著)』など多数を手掛けています。
今回の表紙は、カメラを持っているヒロイン・明石さんと時計を中心にいて腕で針を示しています。
さまざまな格好の人物が描かれていていますが、今回のテーマは時間のようですね。
タイムマシンや砂時計、恐竜や宇宙人までいますので過去や未来を連想します。
表紙にもなにか本編の重要なことが隠されているのかもしれません。
四畳半タイムマシンブルースはユーモアが溢れている癖が強い登場人物がたくさんでてくる作品です。
もしかしたら人を選ぶかもしれません。前作では何度も同じ描写が出てくるので戸惑うこともありました。
しかし噛めば噛むほど味が出てくる作品となっているので新作も期待できる内容ではないかと思います。
また京都を舞台にしているので古き良きスポットなどもたくさんでてきます。
京都の神社など好きな方にはおすすめになります。
森見登美彦さんの作品では他作品とのリンクなどがあるので、『夜は短し歩けよ乙女』など他の作品にも興味が出てくるかもしれません。
今作は、脚本家の上田誠さんとのコラボレーションも楽しみの1つです。
原作であるサマータイムマシンブルース は舞台なのですが、書籍化もされているので興味がある方は予習として読んでみるのもいいかと思います。
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