東京の弁護士法人「東京ミネルバ法律事務所」(以下ミネルバ法律事務所)が24日に、裁判所から破産手続きの開始決定を受けました。
過払い金の返還請求などの訴訟を手掛け、積極的なテレビCMを展開していた弁護士法人でした。
では、ミネルバ法律事務所はどうして破産することになったのでしょうか?
負債額は約51億円にも及ぶとされ、現在、多くの人々の関心を集めています。
それでは今回は、ミネルバ法律事務所が破産した原因と51億の負債額の原因をお伝えします!
ミネルバ法律事務所が破産?倒産?
まず初めに、ミネルバ法律事務所の破産について解説していきます。
今月24日、民間信用調査会社東京商工リサーチより、東京都港区の弁護士法人である東京ミネルバ法律事務所が破産開始決定を受けたとの発表がありました。
ミネルバ法律事務所は過払い金返還やB型肝炎給付金の請求などを手掛け、請求を呼びかけるテレビCMでもよく知られていました。
今回の破産は、弁護士法人が所属する第一東京弁護士会が、会費が支払われていないことを理由に申し立てたものです。
第一東京弁護士会によると、弁護士法人からの会費の支払いが滞り、連絡が取れなくなったとのことです。
第一東京弁護士会は財産を保全するために24日、東京地方裁判所に破産を申し立てました。
第一東京弁護士会は今後、詳しいいきさつを調べた上で、処分についても検討していくとしています。
第一東京弁護士会は現在、臨時の相談窓口を設け、弁護士法人の顧客からの問い合わせに応じています。
東京ミネルバ法律事務所の破産手続き開始について、第一東京弁護士会の寺前隆会長は次のように述べています。
「全国で広報活動を展開し、多数の依頼者から過払い金の請求やB型肝炎の裁判を受けたまま業務を停止した。
調査の結果、過払い金の保管状況に不明な点があり、依頼者に返還することが困難な状態に陥っている疑いがあることも判明した。
多数の依頼者に甚大な不利益を与えるもので弁護士法人として到底許されるものではなく、弁護士会としても厳粛に受け止めている」
ミネルバ法律事務所の負債額は約51億円?破産の原因はなぜ?
次に、ミネルバ法律事務所の負債額が約51億円であることと、破産の原因はなぜなのかについて解説していきます。
まずは、ミネルバ法律事務所の負債額が約51億円であることから解説していきます。
ミネルバ法律事務所は東京地方裁判所から破産手続き開始決定を受け、その負債総額は約51億円にも昇ります。
この51億円という金額は、弁護士法人の倒産としては過去最大規模とのことです。
法律事務所は家賃・人件費が基本的な経費であり、ミネルバ法律事務所のような法律事務所では広告費にも相当程度お金をかけていたものと推測されます。
しかし、それにしても、製造原価のかからない法律事務所という業態で負債額約51億円というのはあまりにも大きいです。
特にミネルバ法律事務所は弁護士8人程度での体制とのことですから、なおさらです。
弁護士の人数がそれほど多くないにも関わらず、どうしてここまで負債を抱えることになってしまったのでしょうか。
諸説ありますが、破産にまで至った原因の一つには、事務職員の人件費があるのではないかと言われています。
もちろん、広告費も理由の一つではあるでしょうが、事務職員(パラリーガル)の人件費はかなりのものだったと推測されます。
というのも、第一に、過払い金請求やB型肝炎訴訟は事務処理がかなり定型化しています。
この手の問題を専門的に扱う法律事務所では、弁護士数名に対して事務職員が100名規模で在籍していることも稀ではないからです。
破産の原因はなぜなのか、という問いの答えはまだ分かっていませんが、事務職員の人件費が関わっている可能性は、決して低くないでしょう。
ミネルバ法律事務所が破産、受任した事件の処理は?
最後に、ミネルバ法律事務所が受任していた事件の処理について解説していきます。
ミネルバ法律事務所への電話がつながりにくいというような問題は、少し前から発生していたようです。
破産となれば事件処理を継続することはできず、依頼者は個々に新しい弁護士を探さなくてはなりません。
支払い済みの着手金の返金はなかなか難しいものとなるでしょう(債権整理については、法テラスを介して着手金の立替払いを受けることで事件処理の完遂は可能であると思われます)。
「ミネルバ法律事務所に依頼したが、破産だか倒産だかで、これからどうすればいいか分からない」という方は、まずは冷静になってください。
上で少し触れましたが、第一東京弁護士会などは相談窓口を既に設けており、ここに相談してみるのもよいでしょう。
急なことで混乱しているでしょうが、まずは冷静に。
今回は、ミネルバ法律事務所の破産(倒産)、51億円の負債額と破産の原因はなぜなのかについて解説させていただきました。
ミネルバ法律事務所が破産した、ということで、驚いた方も多いのではないでしょうか。
もしもこの記事をご覧になっている方の中で、ミネルバ法律事務所に依頼していた方がいるとしたら、まずは冷静になってください。
第一東京弁護士会の相談窓口以外にも、様々な場所で相談することができます。
落ち着いて、今出来ることをやりましょう。
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